「小論文の神様」が教える「文章力」を身につけるための方法論です。
「文章を書くことは、自転車に乗ることと似ている」そうで、「一度訓練すれば二度と忘れない。最初はひどい文章を書いていたとしても、適切な指導を受ければ、どんどん文章術は鍛えられる。」のだそうです。
職業柄、わたくしは論理的な文章を見慣れております。
そういう文章を見たり書いたりする機会があまりない人にとっては本書はすごく分かりやすい入門書のような気がします。
よく、コンサルタントが「理由は三つあります!」と切り出す話は、誰しも聞いたことがあるのではないでしょうか。
文章力を鍛えるには、何事も根拠をはっきりさせることだといいます。
わたくしも学生時代、外国人留学生にだけ課される中国語(論文の書き方指導)の講義において、それはくどいくらい教えていただきました。
「まず」にはじまって「次に」とつないで、「最後に」と理由を締めくくれと。
ちゃんと3つ理由を述べろってことです。多すぎず、少なすぎず、人が最も覚えやすい分量です。
3つでおさまらなければ、「次に」と「最後に」の間に「そのほかに」等を入れて調整します。
2つしか思いつかなければ、3つ目を無理やりでっちあげます。
よく外国人から、日本語の論文はスタイルが決まってないのでどこが重点か分かりづらいという話もききますが、たぶん「曖昧」が大好きな日本人の思考パターンが、論理的な形式を嫌い、そういう文章スタイルが発達しなかったのでしょうか。
しかしながら、論理的な文章がどういうものかだいたい分かっていても、自分がいつもそれを踏襲できて、なお且つ習慣化するほどまでにどうやって訓練したらよいのか、実はわたくしもよく分かっていませんでした。
本書では非常に面白い方法が挙げられていました。
次の言い方を口癖にすることです。
例えば、ランチメニューを決める時…
1:問題提起「今日はパスタにしようか」
2:「たしかに」 ギョーザもいいかもしれない。
「しかし」ギョーザは口臭が気になるからパスタにしよう!
3:「なぜなら」午後、大切な打ち合わせがあるから
4:「従って」今日はパスタにしよう。
…余談
しかしながら、いつもいつも論理的な話し方がいいとは限らない。
たまには非論理的に、感情的に愛を語ろうではありませんか!
「あなたが大好きっ!!!理由なんてないわ~」
なんてね。
そういえば女性諸氏は「私のどこが好きなの?」とよくお尋ねになって男性諸氏を困らせるが、そういう自分も「XXさんはYYだから好きなのよ」とは論理的に説明することなんてないような気がします。
そもそも説明できるなんて打算的で嫌だぁ…とわたくしは思うのでした。