2月
2009

楽観的な中国人?

昨年は金融危機なんかがあって、企業の人も海外出張を控えたり、訴訟に使える予算も減っているとか聞きます。
日本にいたときは大手企業の早期退職、リストラとか、毎日暗ーいニュースが流れて、お先真っ暗ムードなのに、なぜか中国人の意識は日本人と全く違うのよね…

これは国民性というしかないのだろうか(^^;
中国商務部が1月31日に公表したデータによれば、旧暦の大晦日から正月6日目までの全国社会消費財小売総額は2900億元で、前年同期と比べて13.8%も増加しているんですってね。

日本なんて、一時給付金とか、外からの圧力がなければ誰も物を買いませんよね。
すすんでお金なんて使いたがらない・・・確かにわたくしの子どもの頃のお年玉の使い道は「貯金」だったな。
中国の今の若者に聞いたら、すぐにあれがほしい、これがほしいと返事が返ってきますよ。
中国人だったら、メンツもあってパッと家族・友人・知人におごって、おごられた友人・知人もなんかのおりにはパッとおごってお返しする。
次は3月8日(国際婦人デー)に、事務所から何かもらえるだろうな(^^)
何年か前はバラの花1輪だったり、昨年はチョコレートだったなぁ…
こうして必ず消費が増えるわけ。
もし、事務所が何もくれなかったら、やっぱ従業員は根に持つし、主任にもメンツあるだろうし。

会社都合でリストラされれば、補償金を多少頂いて、「これまでバリバリ働いてきて疲れちゃったから、ここらで一休みもいいかもなぁ」ぐらいにしか思わないし。
どうせ、もともと社会保険制度とかしっかりしていないから、失うものが少ないのかもしれない。

日本企業をクライアントにもっている弁護士の収入も減るでしょう。
その弁護士に使われているわたくしの未来も明るくはないでしょう。
でも、皆、なぜか深刻じゃないんですよね…
「なんとかなるでしょう」
そんな感じ。
そもそも、弁護士も含めて我々はいつ首が飛んでもおかしくないような雇用形態で仕事をしているから、今さら将来に不安を覚えても仕方がないわけです(どこの誰が雇用期間の定めのない契約でやとってくれるつーの)

ちなみに、中国ではエリート大学院生の自殺数は多いけど、社内でウツになっている人をあまり見ないような気がします。
結局のところ、自分は自分という個の意識が強いので、合わない職場なら、転職でもするかってお気楽にかんがえられるからなのかもしれません。

おそらく、これまで日本社会の方が社会主義的だったので、ものすごい資本主義の波についていけてないような感じがするんですが。

2月
2009

雪花精霊

出勤しようと外に出たら、雪がちらほら降っていました。
雪は割と好きです。

ずっと座っているとまた胃液や胆汁が逆流して苦しいので、身体に負担がかからない程度にできるだけ外を歩き回ろうと思うのですが、どこに行っても、クリスマスもバレンタインも過ぎてしまったので街に華やかな雰囲気がなくなってしまい、残念な今日この頃。

2月
2009

火事のこと

この間、通称デカパンと呼ばれている中央テレビの主楼の隣のビルが火事になったのだそうで、驚きました。

わたくしはずいぶん、後になって知りました(^^;

母からは「あんたが昔住んでたところじゃないの?火事なんだってね」というメールが入ってきて、友人からも「近所で火事らしいね」と聞かれましたが、その時点ではなんのことかさっぱり。

皆はニュースを見てわたくしが知ってて当然という前提でメールをくださったので、細かい説明抜きなわけで、わたくしとしてはそれは旦那さんが住んでいる岡山なのか、かつて住んでいた名古屋のことなのか、中国北京で昔住んでいたところなのか、よく分からなかったのでありました。何せ、居所がたくさんあるので(まるで船乗りが港ごとに女がいるみたいな比喩…)どこのことなのか訳分からなかったのであります。
その後、CCTVだったということで、なるほどと思いましたが、勤務先からは地下鉄で3駅ほど離れていますので全然見えませんでした。

ちなみに友人の弁護士のオフィスはCCTVのビルから道路をはさんで向かい側にあるので、このデカパンビルがよく見えます。
本日、遊びに行ったついでに、黒こげたビルを撮ってみました。
携帯のカメラで黒こげビルを撮っている人がちらほらいました。

CCTVビルの火事の後

2月
2009

胃炎でした

わたくしと一緒に食事をしたことのある人はその偏食ぶりに呆れたことと思います。

もっとも、もともと胃が丈夫な方ではないのですが、ここのところずっと調子が悪かったので、徹底的に検査しましょうかということで胃カメラで診ていただきました。
米国系外資病院で診てもらったのですが、結果は胃炎及び食道炎だとのこと、写真ももらってきましたが、きっと他人の胃の中なんてものはキモいだろうと思い、アップはしませんが(^^;

主要な原因はピロリ菌と胆汁の逆流。

胃酸や胆汁を逆流させないために日常気をつけること。

脂肪の多いものは避けましょうというのがあるのですが、わたくしはそもそも脂っぽいものはこれまでも食べておりません…お肉も嫌い。これ以上、さっぱりしたものを食べろってか?

もっとも、コーヒーや紅茶は、何かを書いているときには信じられない量を飲むことがあったので、今後はやめようと思います。
そもそも水分とらないとこの北京では干からびるので、何を飲んだらいいのかな。お湯?

ひと肌より熱いものも避けた方が賢明とのこと。
実は熱いお茶、結構好きだったのですが、これからは猫のように暮らしましょうか。

アルコール、たばこはダメ。でこれらはもともと全然、やらないのでクリアです。

お腹を締め付けないように、というのもクリアです。体型的に「大きいサイズ」の洋服を買うとウェストがめっちゃ余るため、夏は基本的にワンピースを着てごまかし、パンツの場合も長さを重視するとやはりウェストが余るので、腰ではいてる感じなので、お腹はいつもゆったりです(^^;

遵守するのが一番難しいのは、やはり甘いものやめろって項目でしょうか。
ケーキなどの脂っぽいものはめったに食べませんが、わたくしのチョコ好きは有名ですし、小豆なんかも好き。
控えた方がいいと言われると悲しい…

ただでさえ偏食なのに、もっと偏食になれということですか?

確かに物を食べた後に動き回ったり下向くだけで食べたものが逆流してきたりする性質だったのでなんとなく納得です。
それから怒ると胃酸逆流してきますよね?しませんか?
菩薩のようになるよう努力します(^^;

2月
2009

一番嫌いな人

先日、仲良しのG弁護士が会議でもないのにピシっとして朝早くに事務所にやってきたので、どうしたの?と聞いてみたら、なにやらフランスのどこかの会社の人事の人に会うとおっしゃる。

G弁護士と日本人なら接点が見えるけど、なんでまたフランス人?
つまり、G弁護士のお友達があるフランスの会社の面接の最終選考にのこっていらっしゃる。
そしてそのフランスの会社は、最終選考基準としてそのご友人の友人と面談して、面接資料の一部とするのだそうな。
そういう面接もあるのですね。

表題は質問の一部です。
「XXさんの一番嫌いな人はどのようなタイプの人でしょうか?」
自分の嫌いなタイプはすぐ言えるけど、友人の嫌いなタイプの人と言われても難しいなぁと思ったのだそう。
ちなみにわたくしが一番嫌いなタイプの人間は無責任というかいい加減というか、責任感のない人でしょうか。

また、こうも聞かれたそうです。
「XXさんが転職に際して重視しているのは次の3つのうちどれでしょうか。」
1、権力
2、お金
3、理想

G弁護士いわく、もし権力が好きだったら公務員になるだろうから、1は除外、2のお金だったら、弁護士である以上、それなりに儲けられるので、たぶんお金でもない。となると、やはり3でしょうと。

しかしながら後でG弁護士ご本人が後で自分について言うと、3つのなかに答えはないそうです。
やっぱり、職場で重視したいのは「快楽」、楽しく仕事ができる職場が一番だとおっしゃっていました。

確かにそうですが、ある程度お金が儲からないと理想も追求できないし、人間関係も悪くなるので難しいですよねぇ…

1月
2009

お金の話

さきほど、丸善で西原理恵子「この世でいちばん大事な『カネ』の話」、理論社、という本を買って読み終わりました。
西原さんの自伝なのですが、かなり心にぐっときました。
お父さんのギャンブル中毒、自殺、家はびんぼーだけど、東京の美大に進学した彼女は、出版社を50社以上回って営業し、カットを描いて生活費を稼ぐというすごいパワーに感動しました。

お金の話をすることを日本人はよしとあまりしませんが、人間、お金がなければ生活できませんし、夢やプライドだけでは生きてはいけないのも事実。
そして、才能に恵まれて、お金に不自由せずに、あれよあれよという間に漫画家になったわけではない彼女の話は、なかなか役に立つなぁと思いました。

「どうしたら夢がかなうか」って考えると、ぜんぶを諦めてしまいそうになるけど、そうじゃなくって「どうしたらそれで稼げるか?」って考えてみてごらん。
…略
「いいじゃない。お金にならなくても」ってやってるうちは、現実にうまく着地させられない。それこそふわふわした、ただの夢物語で終わっちゃう。
そうじゃなくて「自分はそれでどうやって稼ぐのか?」を本気で考え出したら、やりたいことが現実に、どんどん、近づいてきた。

確かに夢という言葉はかなり抽象的ですから、それでは具体的に行動が起こせませんね。
会社や社会の利益のために自分の才能をどう活かすか、それが働くことの意義だと言う人もいますよね。
どうしたら、自分のできることでお金が稼げるか、そう考えてみたら、「好きなことがわからない」と悩んだり、自分探しの旅に出たまま戻ってこれなくなる人は減るのではないでしょうか。

なんといいますか、わたくしには西原さんのような大変な経験はありませんが、大学や大学院に落ちまくり、苦学生という程深刻ではないけどのんびりと学生時代を過ごした人間ではないので、非常に共感できる1冊でした。

1月
2009

明けましてパート2

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申しあげます。

今日は春節、年明け1日目でございます。
さすがに、誰も仕事をしません(^^;

実は先週東京におりまして、春節はそのまま日本で過ごす予定で、岡山におります。
本人はすっかりお正月気分なのに、皆は仕事で、全然うかれていないのでさびしいです。

1月
2009

お仕事向きの髪型

お正月早々、修士課程時代の友人に会ったのですが、そのとき彼女の夜会巻きがとっても素敵でした。

それまで、わたくしは長くて多くてまっすぐな髪をうまくまとめられなかったので、普段はおろしているか三つ編みにしていて(なんか一昔前の少女マンガのさえない女の子みたいだ)、会議などがある場合は後ろで一つにまとめていました(日本の年配の女性からは、そのおばさん結びやめなよと言われていました)

長い髪をおろしていると、日本の年配の方の目には「だらしない」と映るし、腰にとどきそうなため「もう少し切ったほうがすっきりする」と言われるのがつらいところ。

わたくしとしては、このまま腰まで伸ばすつもりなので、帰りにその友人とデパートに寄って新春セールでコームや髪止めなんかをいろいろ買って帰り、一晩かかって夜会巻きを覚えました。

腰にとどきそうなくらい長くて、サラサラで多い髪でも、大きなU字型のピン一本でまとめられることに驚きです。
ある程度パーマなどがかかっていないと、すぐにくずれるかと思っていました。
いいことを教えてくれた友人に感謝です。

そんなわけで、真面目な顔をしていなくてはならない場合は、これからこの髪型でいこうと思っています。
左の写真は、事務所の図書館で仲の良い弁護士さんが撮ってくれたものです。
右の写真はわたくしの全体的な髪の長さです(ご参考までに)。

天達律師事務所の図書館にいる私の写真私の後ろ姿写真

1月
2009

閉じ込められた

休日出勤のヘマ

うっかり、セキュリティカードを持たないまま、トイレに行って、事務所と廊下の門を閉めてしまいそして戻ってこれなくなった(^^;
今日は誰もいないがね。こんな馬鹿なことをしてしまったのは、初めてなのでした。
わたくしはこの身一つ。
携帯電話も、コートも鍵もお金も、とにかく何も持っていない。

業務員さんが通る道で、鍵のかかっていないところを通りながらやっとこさビルの一階までたどり着き、受付のお姉さんに何か方法はないか尋ねるが、これといって方法はありませんでした。(そらそうだ、彼らが何かいい方法を知っていたら、セキュリティの意味はない)

しかも、わたくしは記憶力が悪いので、弁護士やスタッフの電話番号、何一つ覚えていない・・・
覚えている唯一の中国の電話番号は、学生時代の指導教官の自宅の電話番号だけ。
(何度もかけたのでさすがに身にしみついている…しかし、事務所のセキュリティには何ら役に立たない)

「ビルのロビーで月曜日まで過ごさないといけない、コートもお金も、自宅の鍵もないよう、おなかすいたよ~」とうるうるしたら、気の毒に思ったお兄さんが、うちの事務所の管理連絡者の電話番号を調べてきてくれました。
そこには、よく知っているスタッフの名前が。
助かった、彼女なら何か知っているに違いない。

おかげさまで、今、ここにいます(^^)
つくづく、一人で異国にいるんだなって真っ青になりました。

1月
2009

人民法院案例選

1年前のお正月に書いた原稿が「人民法院案例選」最高人民法院中国応用法学研究所編、人民法院出版社に収録されていたようで、先日、最高人民法院応用法学研究所に勤める姐弟子が送ってきてくださいました。
人民法院案例選

内容は日本の判例とは何ぞやから始まって、判例のリサーチ方法の説明なので、日本の法学部生なら誰でも知ってるよね、ってな他愛もない文章なのですが、できる限り中国人のWHYに答えようと試みたという点で工夫したつもりです。
「日本は成文法の国で、判例法の国じゃないのに、なぜ、判例に拘束力がある(ように見える)のよ?」なんていう素朴な疑問に答えてみようかなという意図で書きました。
しかし、これも深くつきつめれば、それこそ本が一冊書けるような大問題なので、わたくしのようなヒヨッコが先人の研究のエッセンスを引用して簡単に説明するのは大変でした。

中国にも判例によく似た「案例」なるものが存在し、便宜上「判例」と訳しますが、厳格に訳そうとすれば困りますね。
日本のような小さな国で、しかも、人と異なった行動をとることにひどく恐れる日本人社会では、似たような事件に似たような判断が下され続けて慣習法が形成されるのに何ら不思議なことはありませんが、これが中国ともなると都市と田舎、北と南、西部と沿岸部、漢民族とXX族で考えが異なるなんて当たり前ですから、日本のような判例が形成されるということは理解しがたいのかもしれません。

わたくしはこれまで日本の法学部出身者にとって当たり前すぎることを中国語で書く機会をいただくたびに、中国語のできる賢い弁護士がこんなにたくさんいるのに、なぜ自分に話をふってくれるのかよくわかりませんでした。もちろん、わたくしはエリート学者、公務員、弁護士と違って比較的書く時間があるし、大層な報酬を請求したりしないし、自分のポリシーに反する内容でなければ喜んで原稿を書くからというのも大きな理由でしょうが、最近思うに、たぶん、通常の日本人又は中国人は、日本か中国のどちらかだけで学士、修士、博士を連続して取得する人が多いのに対して、わたくしは普通に日本の法学部で日本の法律を勉強して、修士課程は日本で中国の法律を勉強して、最終的に博士課程は中国で中国人の先生や学生相手に、中国法の土俵で勝負しても勝ち目がないので、日本法はこうなっているんですということを外国法と対比させながら説明してきたため、中国人は日本のここが、日本人は中国のここが変だと思うツボみたいなもんが、なんとなく分かるからではないかという気もします。
ある意味、奇怪な経歴(短所)は、最大の強み(長所)でもあるということなのでしょうか。

ところで、この解説文の著者名を「荻原有里」とミスプリントされてしまいました。
申し訳ないと思った姐弟子は、人民法院の便せんを使用して、荻原有里は萩原有里の誤りですとの証明書を添えてくださいました。
中国人は「萩(はぎ)」という漢字を一般的には知りません。100%「荻(おぎ)」だと勘違いします。日本人の知人にですら「おぎわらさん」と呼ばれることがあるので「ありさんと呼んでくれ」と言っています。
人によってはどっちだったか自信がなくなるのであえて名前で呼んでくれる人もいます。
有里は「ゆり」ではなく「あり」と読まなければならない厄介な名前なので、困りものなのですが。
知人の中にはわたくしを「ゆり」または「ゆうり」だと思っている人が少なからずいます。
珍しい例では「ゆか」さんだと勘違いしたまま、本気でそう呼びかけ続けてくださった人もいるのですが、きっと前の彼女が「有加」さんとか「有香」さんだったのでしょうね。
パスポートがARIなので今さら、自己の都合で読み変えられないしなぁ。
もっとも自分の名前がある程度認識されれば、誰も校正ミスをしないわけで、そうなるまで頑張り続けるしかないのでしょうね~(笑)