5月
2009

歌からうかがえる文化

「阿拉木汗」という新疆の伝統的なメロディは日本でも知られていると思います(女子十二楽坊も演奏している)。
「ソ(低)レレレ ドレミ ファ~~~レ(高) ド(高)シラソ ファレ ミ レ」というメロディです。
わたくしは最近までこれを歌詞のない舞曲だと思っておりました。
演奏してみようと思って楽譜をネットで探していて、え?本当は歌詞があるのだと初めて知りました。
新疆の方の名前は音に漢字をあてるので、見たところ変な名前の人が多いわけですが、「阿拉木汗(アラムハン)」というのも女性の名前です。

で、この歌詞を見てビックリ。
聞くところによると日本の中国語講座などでも紹介されたことがあるらしいので、きっと中国語に関心のある人は結構知っているのでしょうね。

歌詞をざっくりとまとめると、要するに
「阿拉木汗ってどんな子?」
「太ってもいないし、痩せてもいないよ~眉毛は三日月みたいで柳腰でさぁ…(という話が続く)」
「阿拉木汗ってどこに住んでるの?」
「トルファンの(新疆地区の都市の名前)西360里のところでさぁ~」

何だかものすごくでれでれした男性(ある意味、こういう話をしている男性は可愛いですけど)の顔が浮かんできてしまった…

いつも変な男性に声を掛けられて困っている女性はこんどから
「ねぇ、名前なんていうの?」と聞かれたら「アラムハンよ」
「どこに住んでるの?」と聞かれたら「トルファンの西360里のところ」と答えたらいいかも。

現代社会でこんな曲を創作して公の場で歌ったら、本人からセクハラとかプライバシーの侵害で訴えられそう。

しかし、いつの時代、どこの国でも男性同士の美人の噂というのは必ずあるはずですから、日本にもこの手の民謡ってないのかな?

5月
2009

中国語の意外な(邪道な)上達方法

先日、街中の書店でCDを購入しました。そのCDは、洞簫という日本の尺八の原型といわれている中国民族楽器とピアノの合奏により、古典曲などが収録されたもので、発行は2005年とさほど新しいものではないのですが、なかなか素敵な音でした。

それとタイトルの「中国語の意外な(邪道な)上達方法」とどういう関係があるかって?

まぁ、そんなに結論を急がないで、話につきあってくださいな。
そのCDの説明文で蕭の演奏家陳悦さんがおっしゃっていることが大変、印象に残りました。
引用及び翻訳させていただくと…

「管楽器の演奏で最も重要なのは、息のコントロールです。ですから、管楽器は人の声に最も近い楽器と言ってよいのではないでしょうか。私は声の代わりに蕭と笛子、つまり東方の古い歴史をもつ楽器を用いて現代人の感じたことや心情を歌っているのです。」
中国唱片総公司出版 北京普羅之声文化伝播有限公司製作発行「乱紅」発言者:陳悦、執筆者:郭婷婷。

どこが、わたくしの興味を引いたかといいますと、笛の音は「人の声に近い」というところです。
横笛や縦笛は世界各国に存在し、日本にも篠笛や能管、尺八など蕭や笛子と似たような楽器があるわけでこれといって珍しくはありませんし、構造的に似ていると言えばフルートもこの類なわけですが、その演奏方法や表現の仕方を比べると、蕭や笛子は中国語っぽいうことを最近何となく感じているからです(感覚的なものなので、笛子と篠笛、蕭と尺八も似たようなもんじゃん、という方もいると思いますが(^^;)。

わたくしは日本のカトリック教会のミサに出ると正直、退屈でしょうがない…
いいか悪いかの問題ではなく、自分の性格にあっていないんですよね。
もっと楽しく「神様ありがとう~~~」って歌いたいのですが、日本語ではそうはいかない。
延々全音符にスラーな(わたくし的には)かったるいフレーズが続くのであります。

少し話がそれるかもしれませんが、うちの父方、母方の祖父母は熱心で敬虔な仏教徒でしたから、わたくしは子供のころはきちんとお経が読めまして(今は忘れました)、南無阿弥陀仏はかなり中国語的だと思います。(「なんまいだ、なんまいだ~」という単調なやつではなく、横に音程のような記号が書かれていて「なぁぁ~~~、あ~~~~あぁ、あみぃぃぃだぁ、あ~~~~あぁ~~~あっ、あっ、あっ、ぶうぅぅう」と時間をかけて歌のように読む非常に疲れるやつを指しています。読んだことありませんか?正式には何というのだろう…(^^;)

だからなのかもしれませんが、日本人の話す中国語は一般的に変かも。
超初心者の中国語は、最初はまず通じません(中国語には日本語にない音が多すぎるし、音を急に上げたり下げたりできないから)。

次に上達してくると、いかにも「日本人です」と名札の付いたようなカタカナ中国語だけど、内容が複雑でなければ中国人に何とか通じる中国語を話せるようになってくる。

そして、もう少し上達すると、「あんた、どこの出身?(どこの田舎から出てきたんや、こいつ…)」と尋ねられる訛った中国語が話せるようになります。
一部の音がやはり中国語のように発音できないか、四声を間違うからです。でも、前後の文脈で意味が取れたりするものです。そして中国は広いのでわたくしより標準語の発音が苦手な中国人も現にいたりするのです…ある中国人兄弟子は北京に来て何年もたつのに相変わらず発音が矯正できなくて「お前の方が標準語みたいだよな」と嘆いておりました。

そして、この次の段階になると、中国人アナウンサーのような中国語が話せる日本人も存在するわけです(このレベルの人はプロの通訳者でしょう。また、通る声できちんと人前で話す習慣があるため、声の大きい中国人と変わらないという感じ。)

最近、購入した電子メトロノームはチューナーもついているので、それで面白がって自分の声は十二平均律の絶対音階のどのあたりでしゃべっているのか気になって遊んでみました。
日本語ではわざと音域を狭くして棒読みしてもかろうじて意味は通じますが、中国語では音に高低をつけないとほとんど意味不明となります。「中国語って歌っているみたいだよね」とうちの旦那さんが言うのも頷けます。
しかも、中国人は声がでかくて、普通にしゃべるだけなのにこの人、腹式呼吸してる(?)って感じですよね。

それから、中国の笛には「花舌」といって、舌先又は舌の根元を震わせて、「トゥルルル~~~~~」と出す音があるのですが、これは聞くところによると西洋のフルートの技術にもあるらしく、これがどうしてもできない日本人がいるのだとか。
ちなみにこれを練習するとき、中国人はよく舌先を震わせる場合は「特冷」(超寒いの意味です。発音記号はte4leng3)を早く繰り返し言ってみろという教え方があります。確かにこれをめちゃくちゃ早く繰り返し言おうとすれば、舌が面白い動きをします。舌の根元を使う場合は「河」(発音記号はhe2)と言うつもりで息を強く入れてみると口の中で簡単に振動が起こります。ちなみに後者の発音は、夫に聞いたところによれば、ドイツ語にも同じようなものがあるそうです。ゴールデンウィークに夫が北京に来た時に二人で、「げろろろろろ~~~」と音を出してみて、あぁ似たようなものだねと確認しました。外国語ができない日本人には「ゲロゲロうがいをしながら笛を吹いてみたら?」というしかありません。日本語では通常、こんな音を出さないものなぁ。

先日、ある方に中国語が上手くなるにはどうすればいいかと聞かれたのですが、その時は、言わなかったけど中国語の意外な(邪道な)上達方法は、もしかすると音の上下が激しい歌を正確に歌うことなのでは?と思った次第です。
そして、道を歩きながら数メートル先の人にも聞こえるような大きな声で恥ずかしがらずに歌を歌えるようになれば、あなたも中国人の仲間入り。

「とっさの一言」はセリフの朗読ではなく、オペラを演ずるつもりで言ってみればいいのでは?

5月
2009

ICレコーダーの使い道と使い心地

実は先日、道で派手にすっ転んで首からかけていたICレコーダーが壊れてしまったので日本帰国時に買い直しました。
用途は、講義・会議録音、語学テープ・オーディオブックの倍速再生、音楽の再生です。
これまでSONYのICD-UX70というモデルを使っていたのですが、今回はオリンパスやサンヨーの人気モデルとも比較した上で、やはり昔からオーディオ製品はSONYに慣れているので、またもや最終的にSONYに落ち着きました。
ちなみに、製品情報はここhttp://www.sony.jp/ic-recorder/ をみていただくとだいたい分かります。
同じものを買おうと思っていたのに、新しい電化製品に目がないわたくしは上位機種ICD-SX900を買ってしまいました(あぁ~財政難だというのに)
でも、やはり上位機種というのは、それなりに良いものだということがよーく分かりました。

まず第一に再生音質。
わたくしは別にSONYの回し者ではありませんが、まず、その音の素晴らしさに感動しました。
先日、日本で購入したバイオリン奏者宮本笑里の「break」(いや、ほんとSONYの回し者ではありませんよ)や中国の笛子奏者陸春齢の「江南絲竹」を入れてみたら、もともと綺麗な音なのだけど、本当はもっとすごかったことに唖然としました。

次に早聞きの速度。
この時点でおしゃれなipodのような機器はわたくしの辞書から消えてしまいます。
(もっとも速度なんてパソコンで倍速加工すればいいのですが面倒くさい)。
昔から口述ものは2倍速で聴くことが多いのですが、これは3倍速までいけるらしい。
オーディオブック等は最低でも2倍速以上で聴かないと時間がもったいない。

最後に録音機能。
その性能を確かめるべく、自分の笛子演奏「兎と亀」を録音してみてビックリ。自分が吸う息の音をものすごい感度で拾ってしまうのです…。
そういえば、以前、夫がフルートのパイオニアという人の古い演奏を聴いたら「息の音がすごくて、正直、すごく綺麗な演奏だとは思えなかった。でも、それは録音技術の問題なのだろうか???」と言っていたのを思い出しました。息漏れの音がすごいのであれば、それは下手くそなのですが、フルートや横笛はものすごく息を使う楽器なので、短時間にものすごい勢いで息を吸い込まざるを得ず、ある程度の息を吸う音は仕方がないというか…(もちろん、なるべく音がしないようにできるだけ口から大量に息を吸うべきですが)。
マイクが近くにありすぎると息を吸い込む音を全部拾ってしまうし、しかもわたくしが途中で唇を舐めた変な音まで拾っているではありませんか…(ちょいとキモい)
かなり離れて録音してみたら、息の音や怪しい音をあまり拾わなくなりました。
面白ろがって、その録音したWAVファイルをMP3に変換して携帯の呼び出し音にしてしまいました(^^;
(録音形式はもちろん、ダイレクトにMP3で録音することも可能ですが、音楽の場合は“ありのままの音を記録する「リニアPCM」録音”というのを使ってみました)

余談ではありますが、自分の話し声や演奏を録音するのはとても良いことだと改めて思ったりして…

以前、日本語があまり上手くないのに結構、自信満々の中国人にお会いしたことがあり、さらに気の毒なことにその勝気な当人に本当のことを助言できる人もおらず、どうしたら、そこまで自信過剰になれるのか不思議に思っていたのですが、自分の演奏を録音してみてその謎が解けました。
わたくしは自分の中国語が下手くそなことはよーく存じておりますが(文法も怪しく、発音も訛っております)、笛はさほどでたらめに吹いているつもりはありませんでした。
でも、自分で冷静になって聴いてみたら、そのテンポのずれや時々音の高低が微妙に保てないことに唖然としました(息を吸うのが遅すぎて1拍遅れていたり、息の速度が保てなくて音が妙に苦しそうというか無理矢理という感じがひしひし伝わるのです)。

たぶん、誰しも自分に対して一生懸命で余裕がないか、あるいは何かに夢中になりすぎていて(陶酔しきっていて!?)、自分を客観視することができないのですね。
一生それですめば、それはそれで幸せなのでしょうが、人生そうはいかないだろうし。
楽器演奏は趣味だからそれでもいいけど、外国語や話し方は仕事をする上で避けては通れない問題だと思うので、自分を知らなさすぎると本当に恥ずかしいというか、自分を知っていたとしてもそう簡単に人生何十年の癖を直すことは困難だし、もう、ほんとどうしようって感じですよね。

結論…高かったけどいいお買い物をしました。

5月
2009

何を着て寝ますか?

東京から北京に向かう飛行機の中で、何年ぶりかに雑誌「an an」を読みました。
そこで林真理子氏の女性誌ならではのエッセイを拝見したのですが、「バスローブ」に触れられていました。
林氏はかつて小説の中で「バスローブは、不倫する人妻の制服だ。これを着てベッドまで短い行進をする」とお書きになったことがあるそうで、バスローブの数だけ女のドラマ、それも高級なドラマがあるのだと説いておられました。

林真理子氏の友人が夫の浮気現場で見た相手の女性がバスローブを着ているのを見て、「こりゃ、かなわない」と思ったとか、知人の若い女性が高級ホテルに連れて行ってもらって、どうせすぐ脱いじゃうのに彼氏が高級ホテルのバスローブのひもを可愛く蝶々結びしてくれて感動したとか、バスローブには面白い話がいろいろあるようです。

そこで、先日、宿泊したホテルにもバスローブがあったけなと、ふと思い出しました。
ゴールデンウィークに夫が北京に遊びに来た際に、いかにも古き良き中国という雰囲気のホテルをと思い、昨年オープンしたばかりという三つ星ではあるものの、お手軽に明清朝の雰囲気を楽しめるというホテルを予約しました。
(もっとも西洋人が好む本格的な四合院を改築したような伝統的ホテルには劣りますので、そのへんはご注意を)
ホテルのスタッフが皆清朝の衣装を着ていたりします。
ちなみにお庭はこんな感じ。
陽光老宅院酒店
北京陽光老宅院酒店
所在地:北京市西城区旧鼓楼大街西条胡同2号
電話:010-84021188

http://www.soluxecourtyardhotel.com/index.asp

具体的な道案内は、飛行場から地下鉄「飛行場線」で終点「東直門」までいって、そこで環状線に乗り換えて「鼓楼大街」で下車。「鼓楼大街」駅のB出口を出て、右折してしばらく歩くと「西条胡同→」という看板が目に入るので矢印の方へいくとすぐに変な中国風の門が見え、そこが陽光老宅院です。

そんなホテルなのに、なぜか、部屋にバスローブがあるのですよね。
中国のホテルに日本の浴衣やパジャマが常備してあるはずものないことをすっかり忘れていたので、バスローブを着て寝ました。

今、日本人女性が何を着て寝る人が一番多いのか存じませんが(パジャマとかTシャツにジャージとかだったりするのかな?)そういえば、なぜ、中国の女性は夏になるとフリルのついたミニワンピや、可愛いアニメ柄のTシャツドレスみたいなので寝るのでしょうね。
別にお色気を狙っているわけでもなさそうなのですが、ちょっと薄地だったりするし…
ま、そういう自分も郷に従って、ピンク地に黄色いアヒルちゃんのアニメ柄、大きな襟元には白いフリルがしっかりついた変なミニワンピを着て寝ていたりしますが、日本では中学生の女の子でも「ダサい」とか言って着ないような気がしたりします。

実は、ゴールデンウィーク以来、バスローブで寝るのが気持ちいいなとか思ったりしたので、機会があればバスローブ欲しいなと思わなくもありません。
しかしながら、林真理子氏の小説に登場するような「人妻」にはほど遠かったりするので、何を着て寝ているのかと問われた時に「バスローブ」なんて答えたら殴られるかな。
…そもそも、マリリンモンローじゃあるまいし、誰もあんたに聞かねえよってか?

しかし、自分の歳を考えたら、バスローブで寝る方が変なアニメ柄のワンピを着て寝るよりもマトモのような気がしたりもしてきましたが、どうなんだろう(^^;

5月
2009

北京空港事情

さきほど、北京に到着いたしました。
それで、なぜ職場にいるのかといえば、重い荷物を背負ってエレベータのない6階の我が家にたどり着けそうもなかったから。
先に書籍や、最近子どもを生んだ弁護士さんに頼まれていた粉ミルクなどの重い荷物を事務室に放り投げてから帰ろうと思った次第です。

オフィスビルの1階で、「今から残業!!!」と驚かれましたが、前述の理由を述べたら「なるほど」と納得していただけました。

空港からうちの事務所までは距離的に近いため、タクシーの運転手はあまり乗り気ではありません。
空港からものすごく近い場合は、時間以内に空港にまた戻ってくると長い列に並ばずにお客を待つことができるというルールがありまして、運転手によってはこの微妙に近い距離ではその手がつかえないため、「頼むからゲートで行き先をXX旅館(ものすごく近い)と言ってくれ」とお客にお願いして、思いっきり飛ばして運転する方がいます。
前回は頼まれて嫌と言えずにちょっと怖い思いをしましたので、そういうお願いをされませんようにと祈り続けていました。

幸い、そういうことはなかったのですが、運転手さん、ちょっと無愛想でした。
ごめんんさいね、お金にならないお客で。

では、そろそろ帰って寝ます。
おやすみなさい。

豚インフルエンザのせいで検疫が混雑していたけど、日本ほどは待たされないし、日本の空港のように消毒液をご自由にお使いくださいとか、そういうことはないところが、なんつーか、やはり大陸的だと思うのでありました。

5月
2009

レスポンスのはやさ

世の中にはデジタルな人間とアナログな人間がいると思います。
人それぞれ、仕事のスタイルがありましょうし、アナログ人間だからダメってことはなく、すばらしい仕事をする人ならアナログな人間でも周りの人が気を使ってくれるので、別になんら支障はないと思います。

わたくしの場合はもともとパソコン機器が大好きなのと心配症なので、どこにいても(特に国外)モバイルパソコンをできる限り携帯して、仕事がきていないかチェックしたりします。
疲れる人生かもしれませんが、いつでも捕まるようにしておくことで、かえって自由になれたりもします。

さきほど、ある先生にメールを出したら、その先生も学会に出ていたので明らかにホームグラウンドにはいないはずなのに、すぐに返事が返ってきました。。。

40代以下だとそういう人が多いような気がいたします。
しかしながら、ポリシーとして職場のアドレスは休日には絶対に見ない、あるいは見ても返事は出さない人もいるでしょう。(特に企業のサラリーマン)
メールを確認しないと気が済まない、返事をすぐ出さないと気が済まない、返事がすぐこないと不安とまでいくと依存なのでよろしくないのでしょうけど、わたくしとしては、ネットにつなげないホテルは問題外です。

先日、古い友人に会ったときに、携帯は仕方がないからもっているけど、自宅にネット環境は必要ないとのご意見も多かったため、結構、意外だと感じました。
彼女等はきちんとした雇用主に雇われているサラリーマンですから、それでいいのかなとも思ったりしました。
やくざな商売だと自分をデジタル化しないとやっていけないのかも(^^;

5月
2009

名古屋にて

名古屋にいます。

笛子の先生の教えを守って朝っぱらから、空港に接した海辺で、ぴーぴー怪しい音を出してきました。
風が強いと自分の息がゆがんで上手く音が出せないため、海を背にして一生懸命練習してみました。
朝から釣りをしているおじ様、うるさくてごめんなさい。

昼ころ、大学院時代の友人に会いました。
誰でも多少の差はあるものの、若いころのように無茶がきかなくなるし、家族のしがらみもあるので、いろいろ悩みがあるもので、いろいろ大変です。
その友人にはその友人の、わたくしにはわたくしなりの悩みというものがあるわけで…

夕方祖母宅に着くころ、大学時代の友人から携帯に連絡が入り、夜に会うことになりました。
しばらく会っていなかったのですが、皆どうしているのかなぁ。
大学生といってもわたくしは夜間部の出身ですから、同級生の年齢にも幅があります。
今思うと、一番楽しくて、無茶をして、いろいろな夢を描いていた時代でもあります。
その時代の友人の特徴は、いくつになっても若い子より情熱的だという点だと思います。
大学生になった時点で世間的にはすでにいい歳だったのですが「大きくなったら何になろう」と真剣に考えていたりします。

わたくしもこの先、幾つになっても「次に何をしようか」とわくわくして、そのわくわくを実行して、それが誰かの役に立てばなおいいなと思います。

5月
2009

演奏家と通訳と運動選手の共通点

本日、前から少し興味のあった通訳の基礎講座を聴講させていただきました。
自分がある言語を理解できること、翻訳できることと「通訳」は別物ですから、その技術や訓練には興味がありました。

やはり思ったことは言語の習得というか、通訳の訓練というのは楽器を習うのや運動選手の基礎トレと同じなんだなぁということです。
講師もピアノを引き合いに出して、「最初は譜面見てたどたどしく弾くしかなくても、練習すれば指が勝手に動くようになるでしょう、それと同じです」というようなことをおっしゃって、毎日訓練してくださいねと言われました(^^;
ちなみにわたくしは記憶力が本当に弱いので、一文を聞き終わってから、更に次の文章が始まった時に、後れて最初の文章をその言語のまま再現できないのです。
(日本語で言われた文章もそのまま日本語で再現できないので、外国語能力の問題ではありません(^^;)
ちなみにその方は95%の努力と5%の野生のカンだともおっしゃっていました。
「誰でも努力すれば世界で通用するようになるけど、最後までピシっと綺麗に決められるかどうかは後の5%にかかっていて、これは特殊なトップレベルの人です。別に我々全員が国際舞台のトップに立つ必要ありませんからね、がんばってください」
だそうです。

運動選手、例えばアニメの「スラムダンク」なんかのDVDを見ていても主人公は必ず基礎を一生懸命練習してますよね。
もっとも先天的な背の高さや運動能力というものはありますが練習しなかったら、ただの宝の持ち腐れ…

笛子にしても、綺麗な音を出せるまでの時間は個人差がありますが、誰だって音くらい出せるようになります(^^;
ちなみに、わたくしの習っている笛子の先生は、毎日最低でも30分、時間が許すのなら1時間はロングトーン(一音ずつ10拍程度長く出し続ける)をしなさいといいます。
わたくしは、この音だけ出し続ける単純作業があまりおっくうではありません。
また、大声で叫ぶのと同じくらい気持ち良かったりもします(^^;

要するに単純な基礎をもくもくとやり続けることができる場合に限って、モノになるということがよ~く分かりました。
その単純な訓練をし続けるにはやはり明確な「動機」が必要だと思います。
動機はひとそれぞれでしょうが「できたらいいな~」というあこがれ程度ではだめだってことですね。
「これができないと生きていけない」とかそういう強烈な動機がない場合、それができるとどんな利点があるかを強烈にイメージする必要があるのではないでしょうか。

5月
2009

ニセ札はどう処理されるのか

本日、20元の偽札をつかまされてしまいました。
どこで自分の手に入ってきたのか特定できませんが、ここ数日の間に100元札で何か物を買って、そのおつりに紛れていたのだと思います。
本日、ある商店で買い物をしたときに、受け取りを拒否されたので、おそるおそる「もしかして偽札なの?」と聞いたら、「たぶんね」と言われました。
もっとも「たぶんね」というだけでは、疑わしいだけで本当かどうかわからなかったので、偽札判定器をもっている別のところで何食わぬ顔をして出してみました。
そしたら、やはり「別の紙幣と変えて」と要求されました。
気になるので「これ、どういう問題があるの?」と聞いてみたら、偽札だとははっきり言わないものの「機械通らないし、色とか変だし、たぶん、問題あるわ」とのこと。
しゃーないので、中国銀行へ持って行って判断してもらったら、やはり偽札でした。
当然、法律に基づき没収であります(^^;あーあ、ついてないなぁ。
没収にあたり、書類を書かされて、「鑑定に異議がある場合は云々」との決まり文句をお兄さんが読み上げ…
中国銀行のお兄さんは、最後にニセ札の見分け方のレクチャーをしてくれました。

まず、色。
色があせている感じはやばい。でも保管が悪くて本当に色がおかしいものもあるので一概には言えないよねぇ。
偽札は透かしの技術があまいというか、細かくない。
毛沢東の肩のあたりを触ると、本物はでこぼこ感がきちんとするが、偽札はつるつる。
真ん中にキンキラキンの銀色の線が入っているのが本物で、ニセ札にはそれがない(でも、古いお札だとそれはがれていたり擦り切れていたりするんだけど…)

あまり汚らしいお札でおつりをもらうと、変えてくれって言うようにしているので、あまり偽札にお目にかかったことがないのですが、今回は気がつきませんでした。

中国に長年住んでいるのに、あまいな~自分。
でも、没収されるって分かっているから、実際に銀行に持ち込む人はもしかすると少ないのかもしれない・・・

4月
2009

個人情報保護に対する意識

先日、笛子の先生が笛の運指表をその場で手書きしてわたくしにくださいました。
その際、先生は自分のファイルから適当に要らない印刷済の紙の裏を使用されたのですが、その紙の裏は楽譜でした(何の曲か不明、自分が作曲したものではないと思われる)。
平日はレコード会社にお勤めだと聞いているので、持ち歩いている使用済印刷紙が楽譜だというのは納得です。
自分の場合、持ち歩いている要らない紙の裏には何が印刷されているのかといえば、法律の条文やニュースレターの下書き、もしくは自分の校正原稿といったところでしょうか(弁護士のリーガルオピニオンが印刷されたものの裏を再度印刷使用して校正などをすることもありますが、外に持ち出すことはありません。これらは当然後で裁断します。)
うちの旦那さんの場合、何かメモをしているとその裏はだいたい学校の事務的なお知らせのような紙だったりします。

さて、前置きはこれくらいにして、何がいいたいかと申しますと、経費節約のために、このいらなくなった印刷済の紙の裏を再度利用する場合、当然のことながら、注意が必要だと思うのです。

今、日本では個人情報保護に関してはかなり敏感ですが、中国の場合、一部の人は敏感ですが全体としてそれほど敏感ではないという気がいたします。

なぜなら…

<その1>
学生時代、聴講生として取得した一般教養単位を入学後に認めてくれると聞いていたのに、昨年自分が取得したはずの単位が成績表に反映されておらず、話が違うよと教務課に問い合わせに行ったところ、「報告書に載っていなかったので仕方がない。昨年から聴講生としての身分があって、本当に試験もきちんと受けていて合格点だったというのなら、担当の先生の所に行って、もう一度、報告書をもらってきてちょうだい」とおっしゃる。
そこで担当の先生の所にいったところ、昨年の試験の結果などが書かれた報告書類を出してきて、「これで証明できると思うから、これを教務課にもっていきなさい」と親切におっしゃってくださったのはいいが…そこには他人の試験点数やその他の情報がきっちり書き込まれていた(^^;
きっと、わたくしの試験点数とかも、どこかで誰かが見ているだろう。

<その2>
やはり学生時代、研究所で先生方と話していて、何のメモだったか忘れたけれども、先生から要らない紙の裏に書かれたメモをいただいて、家に帰ってから裏を見たら別の先生の昇級審査関係書類だったことがある…わたくしは某先生のいろいろな情報を知ってしまった(^^;

<その3>
一時期、某法律事務所を短期間だけ手伝ったときのこと(いまの所属事務所ではない)。
お客様が振込先口座名の英語名を教えてくださいとおっしゃり、若い職員がプリントアウトしたものを後でわたくしに持ってきました。
お客様がお帰りになる寸前の出来事で、わたくしはよく見ずにそのまま、さっと手渡したところ、「げ、裏に何か書いてある…」ということを発見。
あわてて、返していただき読んでみたところ…一般的な法律規定について書かれているような部分だったものの、報告書の一部だという感じがして血の気が引いた…
お客様は「僕、中国語ほとんど分からないから平気ですよ~」なんて穏やかにおっっしゃってくださいましたが、その笑顔の裏で呆れていたに違いません。
その若い従業員は後に、ある職員の人事関係書類を紛失したため、「お前、法律事務所のスタッフに向いてないよ」と弁護士に叱られ、その他もろもろの理由でクビになりました。

日本ですとちょっと考えられない。
米国なら訴訟沙汰?

以前、某日本企業の中国子会社設立をお手伝いした時に、当然、董事長、総経理等を担当される方の個人情報書類を見ることになるわけですが、書類には各人にパスワードがかかっており、通常の書類はすべて関係者にCCしていたのに、その書類だけは取りまとめ担当者と弁護士だけのやりとりで、パスワードもわたくしには送信されませんでした。もっとも、わたくしは実際に弁護士のお手伝いをして書類を作成・確認するので、当然すべての情報を知ることになるわけですが、日本企業は敏感ですね。

さて、中国にはまだ「個人情報法保護法」という特別な法律はありません。
個々の法律において、情報保護に必要な規定が設けられている状態です。
法律は社会を映す鏡というか、環境に左右されるものだと思うんですよね。
将来、どんな立法が登場するのでしょうね。
タイトルを見て、法律速報を期待されていた方、いたらごめんなさい。