5月
2009

ICレコーダーの使い道と使い心地

実は先日、道で派手にすっ転んで首からかけていたICレコーダーが壊れてしまったので日本帰国時に買い直しました。
用途は、講義・会議録音、語学テープ・オーディオブックの倍速再生、音楽の再生です。
これまでSONYのICD-UX70というモデルを使っていたのですが、今回はオリンパスやサンヨーの人気モデルとも比較した上で、やはり昔からオーディオ製品はSONYに慣れているので、またもや最終的にSONYに落ち着きました。
ちなみに、製品情報はここhttp://www.sony.jp/ic-recorder/ をみていただくとだいたい分かります。
同じものを買おうと思っていたのに、新しい電化製品に目がないわたくしは上位機種ICD-SX900を買ってしまいました(あぁ~財政難だというのに)
でも、やはり上位機種というのは、それなりに良いものだということがよーく分かりました。

まず第一に再生音質。
わたくしは別にSONYの回し者ではありませんが、まず、その音の素晴らしさに感動しました。
先日、日本で購入したバイオリン奏者宮本笑里の「break」(いや、ほんとSONYの回し者ではありませんよ)や中国の笛子奏者陸春齢の「江南絲竹」を入れてみたら、もともと綺麗な音なのだけど、本当はもっとすごかったことに唖然としました。

次に早聞きの速度。
この時点でおしゃれなipodのような機器はわたくしの辞書から消えてしまいます。
(もっとも速度なんてパソコンで倍速加工すればいいのですが面倒くさい)。
昔から口述ものは2倍速で聴くことが多いのですが、これは3倍速までいけるらしい。
オーディオブック等は最低でも2倍速以上で聴かないと時間がもったいない。

最後に録音機能。
その性能を確かめるべく、自分の笛子演奏「兎と亀」を録音してみてビックリ。自分が吸う息の音をものすごい感度で拾ってしまうのです…。
そういえば、以前、夫がフルートのパイオニアという人の古い演奏を聴いたら「息の音がすごくて、正直、すごく綺麗な演奏だとは思えなかった。でも、それは録音技術の問題なのだろうか???」と言っていたのを思い出しました。息漏れの音がすごいのであれば、それは下手くそなのですが、フルートや横笛はものすごく息を使う楽器なので、短時間にものすごい勢いで息を吸い込まざるを得ず、ある程度の息を吸う音は仕方がないというか…(もちろん、なるべく音がしないようにできるだけ口から大量に息を吸うべきですが)。
マイクが近くにありすぎると息を吸い込む音を全部拾ってしまうし、しかもわたくしが途中で唇を舐めた変な音まで拾っているではありませんか…(ちょいとキモい)
かなり離れて録音してみたら、息の音や怪しい音をあまり拾わなくなりました。
面白ろがって、その録音したWAVファイルをMP3に変換して携帯の呼び出し音にしてしまいました(^^;
(録音形式はもちろん、ダイレクトにMP3で録音することも可能ですが、音楽の場合は“ありのままの音を記録する「リニアPCM」録音”というのを使ってみました)

余談ではありますが、自分の話し声や演奏を録音するのはとても良いことだと改めて思ったりして…

以前、日本語があまり上手くないのに結構、自信満々の中国人にお会いしたことがあり、さらに気の毒なことにその勝気な当人に本当のことを助言できる人もおらず、どうしたら、そこまで自信過剰になれるのか不思議に思っていたのですが、自分の演奏を録音してみてその謎が解けました。
わたくしは自分の中国語が下手くそなことはよーく存じておりますが(文法も怪しく、発音も訛っております)、笛はさほどでたらめに吹いているつもりはありませんでした。
でも、自分で冷静になって聴いてみたら、そのテンポのずれや時々音の高低が微妙に保てないことに唖然としました(息を吸うのが遅すぎて1拍遅れていたり、息の速度が保てなくて音が妙に苦しそうというか無理矢理という感じがひしひし伝わるのです)。

たぶん、誰しも自分に対して一生懸命で余裕がないか、あるいは何かに夢中になりすぎていて(陶酔しきっていて!?)、自分を客観視することができないのですね。
一生それですめば、それはそれで幸せなのでしょうが、人生そうはいかないだろうし。
楽器演奏は趣味だからそれでもいいけど、外国語や話し方は仕事をする上で避けては通れない問題だと思うので、自分を知らなさすぎると本当に恥ずかしいというか、自分を知っていたとしてもそう簡単に人生何十年の癖を直すことは困難だし、もう、ほんとどうしようって感じですよね。

結論…高かったけどいいお買い物をしました。