6月
2009

演奏と著作権

わたくしがここ最近、笛子やら洞簫とか、中国の民族音楽の笛にハマっているのはご存じのとおりです。

古典音楽や童謡等を演奏したい場合、このような楽曲は長い年月を経ているので著作権が及ばず楽譜などは採譜をされた方のネット等から簡単にダウンロードできたりします。

ところで、日本の古典といえば、「さくらさくら」でしょうね。
新婚旅行で行ったパリでは、日本語を話しながら歩いていたら、街頭ミュージシャンがそれまで弾いていた未知の楽曲をやめて「さくらさくら」を演奏してくださいました。

中国の楽器屋さんで日本人だとバレると、10人中8人が必ず演奏してくれる曲があります。
それは「北国の春」と「さくらさくら」

前置きはここまでにして、ここからが本題。

「四季の歌」というのはご存知でしょうか?
「春を愛する人は 心清き人 すみれの花のような ぼくの友だち…」と春夏秋冬続くあの有名な曲ですが、これは荒木とよひささんが作詞・作曲した作品で(聞くところによれば1971年に世に出て、大ブレイクしたのは1976年だそうですが、1964にはすでに存在していたようです。)、当然、著作権が及ぶので日本のウェブ等から楽譜を無償ダウンロードすることはできません。

わたくしは、初心者用の笛子の教材等をよく見る機会があるのですが、「四季の歌」はメロディが単純で、しかも音域的に初心者にとって非常に演奏し易しいため取り上げられることがあるようですが…どうやら一般的な中国人には、日本の民謡だと思われているようです。

民謡だったら、普通、作者不詳で作曲年なんかも大昔だから、著作権なんて関係ないだろうと思っているんじゃないかな。しかし、作曲してからたいした年月を経ていないのに国際的に民謡だと思われるほど浸透する曲というのは、すごいなぁと思います。

著作権というのは、私権なので別に権利者が権利を主張しなければ問題ないわけだけど…

しかしながら、パブリックドメインだと思っていたものが実は著作権の及ぶ曲で、そうと知らずに営利的な場で演奏して、後で指摘されたら怖いよね~

ちなみに、日本著作権法第38条1項、台湾著作権法第55条、中華人民共和国著作権法第22条第9号の規定によれば

①非営利目的で
②聴衆から料金を徴収せず
③演奏者に報酬が支払われない

のであれば、著作権者の許諾を得ることなく演奏できます。しかしながら、企業のショールームや商店の店頭などで演奏する場合などのように、全くお金を取らないとしても営利目的と判断されますから、注意が必要です。

そういう機会のある方は、あなたがクラシック又は民謡だと思っている曲が本当にそうかどうか確認しましょう(^^;