11月
2008

師兄と不肖自慢

「師兄」とは、中国語で兄弟子のこと、「師妹」とは妹弟子のことです。
研究仲間、同じ指導教官の下で学んだ者同士で、そう呼ぶことがあります。

先日、日本の大学院時代の師兄が北京に出張でやってきて、ついでに会いに来てくれました。
実は同じ指導教官の下で学んだというものの、わたくしは法学研究科、師兄は中国研究科に在籍していたので、お名前しか存じ上げず、ずっと会ったことがない人でした。
さっきから師兄、師兄となれなれしく呼んでいますが、彼は、今母校の先生になっちゃってますので「老師」と呼ぶべきですかね。

師兄に会って思ったことは、自分は一生懸命勉強してきたつもりだけど、こんなの序の口なのね、ということ。多分、他人が20代でしてきたことをわたくしの場合30代でしている。

「門下で出来の悪さだけは誰にも負けないと思う…」とこぼしたわたくしの言葉に師兄まで「私もそうだな」などと言いつつ、加えて「でも、できの悪い子ほどかわいいっていうからな」と。

結局、自分がいかに出来が悪くて、先生に心配かけたかってことを自慢しあってる私達って一体…
(先生ゴメン)

今や大学院もビジネス色が濃く、大学院の教官も何十人と学生をかかえるため、ビジネスライクなのかもしれないけど、ことに中国法などという分野はマイナーなので、先生は1年に1人も学生を採ることはなく、こういう自称不肖の弟子がポツポツといるわけですな。

師兄の一言。
「皆そうやって先生や兄弟子に迷惑かけて育ってきたわけで、先生や兄弟子に恩返ししたけりゃ、いいお仕事して喜ばせてあげましょう」

ちなみに「お仕事」というのは師匠の口癖で、論文を書くこととか研究を意味していて、必ずしも日々の糧をかせぐ労働を指しているとは限りません。
論文の抜き刷りを送れば「きわめて有益なお仕事で、敬意を表します。」という風に使ったりします。

公務でお疲れのところ、わざわざ会ってくれて珈琲を奢ってくれた師兄に非常感謝です。