11月
2008

夢とスケジュールの関係

本書は居食屋「和民」を展開するワタミ株式会社の代表、渡邉美樹氏が提案する夢に最短距離で到達するための「手帳術」の本であります。

いろいろな方の「生き方」「手帳術」「自己啓発」に関するを読んでいると、お決まりの共通点があります。
やっぱり夢は口にするとか、紙に書くということがいかに大切かということです。
何かをやってきた人でこれをやらなかった人はいないのではないでしょうか。
最初に夢ありき。そこからそのために何をしたらいいのかを年間、月間、週間、1日のスケジュールに落とし込む方法です。
体力や財力、地位とかそういうものは何かをするための手段であって、最終目標ではないのですね(もちろん、最初はモチベーション維持のために金儲けのために一生懸命仕事をしたっていいわけですけど)

渡辺氏いわく「緊急ではないが重要なこと」のために時間は使うのです。
わたくしたちはだいたい「緊急で重要なこと」に時間を取られ過ぎ(会社員はほとんどそうかも)
もっと悪いケースは「緊急でも重要でもないこと」を何となくしてしまう(目的のないテレビ観賞とか)
例えば、お客様のクレーム対応は「緊急で重要なこと」で真っ先に対応すべきことだけど、本来はお客様からクレームが来ない様に日々どう研鑽するかが重要なんですね。
そのためには、どういうスキルを身に付けるべきか。
そういう理想実現のために、身につけておくべきものは山のようにあるはずで、これらはルーチンワークにしてしまうのがいいらしい。
期限を決めて、XXまでに日常英会話ができるようにする、と決めたら、どんどん逆算していって最終的には今日何をすべきかまで計画に落とし込むわけです。

多分、わたくし達のお勉強がすぐに挫折してしまうのは、やはり資格取得のための勉強とか、就職に有利だから云々とかいう理由で、じゃあ、それを成し遂げたら、あなた何やるの?っていうとところがつきつめられていないのではないでしょうか。
この就職難の時代に目先の目標を見つけて安心したい気持ちはよく分かるけど、それは本末転倒なのですね。

司法試験を受けたことのある方なら、伊藤真弁護士をご存知かと思うのですが(もとLECのカリスマ講師で今はご自身で伊藤塾というのを設立しておられます)、彼も司法試験受験者に、弁護士になった自分が何をしているかをイメージしてそこから逆算しろというようなことを著書で述べられています。
そもそも試験に受かることは手段であって、そのあと、法曹になった自分が何をしたいのかが明確にイメージできなければ過酷な試験をパス出来るはずはありません(天才中の天才は別かもしれませんが)。

つまりお勉強は手段なんです。
何かもっと大きな理想といいますか、ミッションみたいなものを遂行するために、今、何をすべきか、そういうことなのでしょうね。

話は急に「読書感想文」から飛びますが、ミサンガってご存知ですか?
ミサンガというより、プロミスリングの方が一般的な呼称なのかしらん。
サッカー選手がしているっていうんで、一時期流行したやつです。
手芸の組み紐の一種で、刺繍糸を何本もあわせて編み、手首や足首などに巻きつけて使用し、紐が自然に切れたら願いごとがかなうというジンクスがあります。

わたくしは、手先は割と器用な方で、大学院浪人時代にミサンガを3本手作りして、1本1本に願を掛けて足首に巻いていました。
これはミサンガを見るたびに、お勉強しなくちゃ~と思わせるという効果もありました。
2本は自然に切れましたが(ちなみに、1本は博士後期課程の入試にパスしますように。2本目は博士学位がとれますようにと願をかけていました)、3本目は切れる前に自分ではずしてしまいました。

やはり3本目はそのままにしておくべきだったんでしょうね。

わたくしの場合、その3本目に託した夢のために40歳までに何をすべきか、45歳までに何をすべきか、50歳までに何をすべきかをイメージして、日々のスケジュールを埋める必要があるのでしょう。