3月
2010

琴とは一体、何だろう

日本語で「お琴を習っているの」といえば、四角い木の箱の上に十数本(場合によっては二十数本)の弦がはってある楽器を習っているのだろうな、と誰もが思うに違いありません。
お嬢様系の短大出身者の結婚式に出席すれば、新婦のご友人の誰かが演奏を披露してくださるアレです。

実は中国語の「琴」という言葉は、日本語と違っておそろしく意味が広範なのですよ。

小提琴といえば、バイオリン。
鋼琴といえば、ピアノ
手風琴といえば、アコーディオン
口琴といえば、ハーモニカ
胡琴といえば、二胡や京胡
柳琴といえば…(相当する日本語がないのですが、形が琵琶によく似た弾撥楽器です)

こうなってくると、鍵盤楽器だろうが、擦弦楽器だろうが、弾撥楽器だろうがお構いなしみたいです。
ある意味、楽器の総称みたいな使い方としかいいようがありません。

ですから、「週末は何しているの?」と聞かれて「弾琴」と言うと、大抵の中国人は「あぁ、ピアノの練習をしているのね」と思うようです(多分、子どもの習い事といえば、ピアノが一番ポピュラーな習い事だからでしょう)

しかしながら、わたくしの場合は柳琴を弾いているのですが…

ここで、週末は「拉琴」だと答えれば(拉は弦をこする場合の動詞です)、大半の中国人は何だと思うのでしょうね?
回答者が若者ならバイオリン? 回答者がお爺さんなら二胡だと思われるのかな?

諸事情により、しばらく笛は長期休暇にして、二胡に手を出してしまいました。
そんなわけで、わたくしの週末は本当に「弾琴」と「拉琴」なのです(^^;
ご近所の人に何をしている人なんだろうと思われているかも…