5月
2009

著作権法学会2009年度研究大会

本日、著作権法学会の大会を聴講してまいりました。
実は、これが初めてだったりします。
もちろん、著作権法又は民法の分野では有名な先生方の発表ですから、お名前は存じ上げているものの、お顔を拝見して自説を展開されるのを間近で見たことはなかったので、その面白いお話の仕方に関心いたしました。
やはり、話す人というのは、聴衆を楽しませてなんぼだと思うので、自分もいつかああなれたらいいなぁと厚かましくも思いながら聴いておりました。
ついでに、頭の中でこれを中国語に翻訳したらどうなるのかなとか考えたりもしました。
プログラムは次の通りでした。

「知的創作物の未保護領域という発想の陥穽について」 北海道大学 田村善之
「パブリシティ権の保護」 神戸大学 井上由里子
「不法行為法と知的財産法の交錯」 神戸大学 窪田充見
「タイプフェイスの保護」 上智大学 駒田泰士
「データベースの保護」 東北大学 蘆立順美
「応用美術の保護」 立教大学 上野達弘

そもそも、人が何かを創作したら、その創作したものを当然に保護しなければならないのか、法はそれを前提としてつくられているのか、という哲学的な問題はあまり普段考えないので、著作権法のあり方を改めて考える、常識を疑ってみるよい機会になりました。

パブリシティ権については、わたくしは日本の事例を中国で紹介したことがあり、そのときに勉強しましたが、そのときは物のパブリシティ権に関して最高裁判決がなかったため、裁判所の異なる判断を紹介したにとどまりました。
実は、そのときの文章を結構引用してくださる中国人学生がいらっしゃいまして、日本語が分からない方は現在の状況を知らないかもしれないわけで、後日談をいつかどこかで書くべきだろうと思いつつ、月日が流れております(^^;

民法の不法行為法と知的財産権の交錯については、クライアントも前に話題にしていたような気がするのですが、最近、そのテーマについてのシンポジウムがもしかすると多いのでしょうか。

わたくしはタイプフェイスについてこれまで深く考えたことはなかったのですが(勉強不足ですみません)、そもそも日本はなぜ、著作権法に明文規定がないのかな…
しかしながら、最近は不正競争法などで規制されることがあるので、今さら何らかの形で立法化されても、現場ではあまり有難味がないのだというような話も出てきて、大変勉強になりました。

そういえば、本日、豚インフルエンザの国内感染が報道されましたね。
著作権法学会でこのようなアナウンスをするのもなんですがと前置きの上、ある関連する法律の学会は開催を中止する可能性もなきにしもあらずなので今後の通知にはご注意くださいとのことでした。
感染拡大しなければよいのですが。
わたくしは明日、北京に戻ります。
たぶん、出ていく方なので、あまり厳しくないのでしょうけど。。。