世の中には本当に訳しにくい言葉というものがあるものです。
そのなかには、「老板」(lao ban)というのも訳しにくいなぁと思います。
わたくしが日頃やっている翻訳文書にはまず登場しない言葉です(^^;
普通に辞書を引けば、
(1)(個人経営の商工業の)経営者;店主.
(2)〈旧〉京劇の名優あるいは劇団を組織する俳優に対する尊称.
小学館日中・中日辞典 第2版
中国に来る前、わたくしは「老板」は社長さんあるいは、店主みたいなものだろうと思っていました。
辞書だけ見たら、「老板」って会社の社長さんみたいな感じでしょう。
あるいは小規模なところで、八百屋の店主とか、そんな感じですよね。
でも、中国に来て分かりました。
実際には、屋台で野菜売ってる人も、立派な「老板」なんですよね。
そして、もっと驚いたのが、日常生活では、純粋な商売人の世界だけで使っているわけではないのですよ、「老板」って言葉。
例えば、うちの事務所でも「うちの老板、外から帰ってきた?」と秘書が話したりします。
この場合の、老板とは、ボス弁だったりするわけです。
つまるところ、稼いだお金で、生活の面倒を見る人(ボス弁は自分の手下に給料を支払う)が老板なのかなと思ったりもします。
もっとも、法律事務所の場合、会社のように、すべて事務所が従業員の給与を負担するというパターンと、パートナー弁護士がそれぞれ自分の手下の面倒をみるというパターンがあり得ますが。。。
もしかすると日本語の「旦那」に近い言葉なのでしょうかね。
>屋台で野菜売ってる人も、立派な「老板」なんですよね。
屋台であろうとそこの「ご主人」を「社長」と呼ぶことに違和感はないけどなぁ。
(大阪で、挨拶代わりに「社長~。もうかってまっか?」と言う場合の「社長~」ということだけどね。)
それを「ボス」と置き換えてもいいし、「オヤジさん」とか、要は、規模の大小に関わらず、その事業のてっぺんにいる人ということなんじゃない?(「小さくてもお山の大将」ということだと思うけど。)
keiさん、こんにちは
>>それを「ボス」と置き換えてもいいし、「オヤジさん」とか、要は、規模の大小に関わらず、
>>その事業のてっぺんにいる人ということなんじゃない?
>>(「小さくてもお山の大将」ということだと思うけど。)
きっと、「オヤジさん!」って感じなんですよね。
そっか、大阪のノリで理解すれば違和感ないんですね。
かつて、辞書的な意味しか知らなかった頃、感覚的にどういうものなのか、本当に分かんなかったんですよ(^^;
実際、ある法律論文の例に「老板」が出てきたことがあって、中国留学経験者以外、どう訳していいのか分からなかったということがあります(^^;