10月
2009

「弾」かない楽器もあるのでは?

日本語っていい加減だと思いませんか?

時々、不思議に思うのですが、日本語だとたいていの楽器について「XXを弾く」と言いますよね?
でも「弾」というのは弾く(はじく)行為ですから、わたくしなどは、バイオリンを「弾く」とかいう表現はかなり気持ち悪く感じます。

その点、中国語はどういう行為をするのかが非常に明確で分かりやすい。

バイオリンや二胡は「拉」
弓を引っ張る行為です。ちなみに、よくドアにも「拉」「推」と書いてありますが、この場合、「引く」「押す」の意味です。二胡の奏法には構造的に押さえる弓使いがあるので「推」とうのもありますね。バイオリンには「推」はないと思う…

ピアノは「弾」
ピアノは弦をハンマーで打つ行為ですが、大げさに弾くことと打つことは似ているような気がするのでワタクシ的には納得できます。

ギターや琵琶、琴などの弦楽器は「弾」
弾く(はじく)行為です。弦楽器の奏法で「弾」といえば「ダウン」を意味します。「アップ」は「挑」(すくい上げる)です。「トレモロ」は「輪」(アップとダウンを繰り返すからなのか?)

フルート、笛子、蕭は「吹」
息を吹きこむからですね。

歌は日本語だと「歌う」ですが、中国語だと「歌」より「唱」という動詞を用いるのが普通です。だから「歌を歌う」を中国語に訳せば「唱歌」。「唱」という動詞がとる目的語は「歌」だけにとどまらず、「唱劇」と言うのもありです。つまり、京劇みたいに歌って踊って演ずるものは「唱劇」ですね。