昨夜、武吉次朗著「日中中日翻訳必携」、日本僑報社、2007年を読みました。
コピーは「翻訳の達人が軽妙に明かすノウハウ」というものです。
なるほど、確かにそうだよね、ということがいっぱい書いてありました。
中国語がある程度できる方は読んでみると納得できることが多いと思います。
わたくしの翻訳は、客観的に見て「硬い」です。自分でもよく知っております。
もっとも、弁護士の意見書や論文の翻訳がメインなのですから、それでいいと思っておりますが。
でも、その気になれば、一般文書も、ラブレターも、ライトノベルも書けますよ(^^;
せっかくなので、書籍の内容を一部紹介しましょう。
<情緒的な日本語、論理的な中国語>
「携帯電話の使用はお控えください」
これは「お願い」なのか、「要求」なのか、ある人が私鉄会社に尋ねたところ、「禁止することです」との答えだった由。以前、中国の列車に乗った時、「厳禁…」が10くらい並んだ規定が目の前に貼ってあり、見ただけでクラクラした。日本の映画館に入ると、スクリーンの横には「禁煙」と書いてあるが、アナウンスは「たばこはご遠慮ください」
中国語なら当然、お控え、ご遠慮などとは言いませんね、「やめろ」と言いますヾ(^^;
「あなた、お茶が入りました」
金田一春彦氏はこれを、「なんと美しい言葉であるか」と絶賛する。
いや~原節子さんとかが出てきそうな台詞ですな。
他の言語だったら、誰が何をしたかを明確にしないと文章になりませんが、日本語は便利なことにお茶が勝手に入ってくれちゃうわけです(^^;
恩着せがましくない日本文化らしい表現です。
ちなみに日本では夫がよくコーヒーを淹れてくれますが、確かに彼も「コーヒーができたよ」と言います(^^)
「電話が少し遠いようですが・・・」
初めてこれを聞いた中国人は、たいてい面食らう。相手の声が小さくて聞き取りにくいのを、日本人は電話機のせいにするのだから。
もちろん、わたくしが中国語で中国人に言うときは「よく聞こえないので、もう少し大きな声でお願いします」とはっきり言いますね。ただ、携帯電話等は本当に電波が悪いときがあるので「電波がよくないので聞こえなかった」とは言いますが。
ちなみに、わたくしは中国語の論文を書くときは、日本語の下書を書くことは絶対にありません。
そのままストレートに中国語で書き始めます。
日々の考え事も、仮想の読者や聴衆が中国人であれば中国語で思考しております。
ですから、中国語で話すときのわたくしはハッキリした性格になります。
わたくしはXXと思う、大多数の者がXXと思っていると言わざるを得ないからです。
XXであろう、XXだと思われるなどという、何だか事柄が勝手に発生したような、誰が言っているのか主体が不明確な言い方ができないからですね。
あはは、なるほど。
政治的な衝突も案外そんなとこにあるのかもね。
今日買った琺瑯のミルクパン、中が欠けてたんだけどね、明日お店に行って、「これちょっと具合が悪いんですが」って言う自分が目に見えるようだわん。年齢とともにますます曖昧な表現が多くなるみたい。
日本ではそろそろ桜の便りが聞かれるようになったよ。黄砂も(^^;)
本場のそっちでは黄砂ってどうなの?
はぐりん、こんにちは。
あはは、パンの具合が悪いって…パンが風邪でもひいたみたいでいいですね。
あ、そういえば、うちの母はよくお菓子などが乾燥して干からびてしまったり、湿気たりすると「風邪をひくから、袋を開けっ放しにしちゃダメよ」と怒りましたが…これは全国的に言うのかしら?
黄砂は意外と降っておりません。
最近、木を植えているせいかしらね。
それよりも、これから発生する柳絮(りゅうじょ」の方が怖いです(綿みたいなものがふわふわたくさん風に舞うので危うく吸い込みそうになります)
本来は「春」の訪れは情緒的なもののはずなのに、この頃は涙、鼻水ですかね?