10月
2008

微軟と黒い壁紙

ご存じかどうか知りませんが、マイクロソフト社(中国語で微軟公司)は中国で横行するコンピューターソフトの海賊版対策として、ユーザーががインターネットに接続し、ソフトが自動更新される際に細工を施したようです。

今月21日から海賊版を使用していると1時間おき壁紙が黒くなるようですね。

説明によれば、データの破壊などはなく電子メールやホームページの閲覧には支障はないそうです。

職場は法律事務所ですから、もちろん、そんなアホな画面が現れる端末はありませんけど、ちまたではユーザーが激怒しているらしいです。

1時間おきにお知らせしてくれるし、黒は目に優しいし、黒い壁紙サービスは素敵っていうジョークもありますが(^^;

海賊版の横行を擁護するわけではありませんが、個人的にはもっと正規版の定価を下げろよと思います。
日本円に換算すれば、日本のソフトと大差ないので、中国社会のモラルが欠如しているだけのように思うかもしれませんが、物価的に考えれば、そんな大金、庶民の値段とは言い難い。

少なくとも正規版の値段を下げたら、インテリ層の意識は多少改善されるのではないかという気がします。
(こう言うと、知識の欠如による法律違反ではない人もわんさかいるってことが分かっちゃいますね)

5年ほど前に友人(男性)と中関村の電脳街を歩いていて、怪しい人に声をかけられ、好奇心からその友人と一緒に海賊版を販売している人のお家(海賊版保管庫)に行ったのですが、まるでドラマのように、4畳半くらいの小さな部屋のベッドの下にたくさんの段ボール箱があって、その中から、海賊版ソフトがわんさか出てきました。

わたくしは友人に「何かあったら大変だから(強盗事件とか)、お前絶対に外国人=お金持っていると誤解されないように、簡単な相槌しか打つなよ」と釘をさされてついていったんですけどね。

彼らもこちらが当局の職員だったり、企業の依頼を受けて証拠収集のために買いにきた調査会社の社員だったりするとヤバいので、すぐに保管場所には行かずに狭い道をぐるぐる回って回り道をしているようでした。
見張りの人がいたりもしました。

何も買わないと後が怖いかもしれないと思った友人は、何か1枚買いましたけどね。
わたくしの記憶によれば数十元だったと思います。

正規版は何千元もするのに、数十元で海賊版が買えるのだから、とんでもない話です。
オリンピックもあったので、昔ほどは堂々と売っていないのかもしれませんが、相変わらず偽物の多い国ではあります。

うちの事務所が知財の権利侵害事件を扱う関係で、調査会社の調査レポートをたまに読みますが(権利侵害品や権利侵害者のデータを調査したり、権利侵害品の実物を入手したりしてくれます)、どこにでもいそうな普通のおっちゃんが、自分で内職みたいに権利侵害製品を製造して、自分で手売りしているケースもあれば、会社ぐるみで大規模な工場生産している場合もあります。

しかし、普通のおっちゃんの場合、危ない橋を渡っても大した利益がでるはずもなく、そこまでする情熱があるのなら、その情熱をもっと他のことに向けたら大成するのになと思わなくもありません…