6月
2010

ピアノと愛人

先日、「のだめカンタービレ、フィナーレ」のアニメ版のDVDを見ました。

中国出身の雲龍君は、コンクールで名を挙げることもなく、パリ留学終了後、親戚が開くピアノ教室を手伝うと言って帰国しました。
確かに中国では、子どもにピアノやバイオリン等の楽器を習わせたい親は結構います。
聞くところによると、別にプロとかを目指さなくても、グレード取得とかしておけば、進学上いろいろ優遇されることがあるみたいなんですね。
外国の大学でボランティア活動とか重視されるとかっていうのと同じノリなのかな?

わたくしの家は裕福ではなかったので、ピアノ持っている子が羨ましかったなぁ。
ピアノ持っていなかったけど(結局、電子オルガンは買ってもらえたので、それで練習していました)、ピアノは習いに行き、近所でも習っている子はいっぱいいました。
中国家庭の収入格差はほんと、すごくあるので何とも言えませんが、お金持ちだとフツ―に持っていたりします(^^;

しかし、ピアノはただ買えばいいちゅうもんではないですよ。
そういえば、ピアノは愛人に似ていると言った人がいました。
「わがままで、お金がかかる」。

まず、ピアノそのものの代金。
ちなみに、YAMAHAの中古アップライト、日本だと30~40万円くらいからありますよね。
中国だと、それだけ出せばYAMAHAの新品が買えるよとのことでした。
ちなみに、わたくしの二胡と柳琴の先生は、引っ越しに際し、自分のピアノを8000元(日本円11万円くらい?)で手放したそうですが、北京あたりではもっと高値で取引されていることを後で知って、激しく後悔したと言っておられました。

次に年に一度、又は半年に一度の調律代。
普通は年に1度でいいのでしょうけど、よく弾く人に言わせると、半年に1回がベストなんだとか。
ちなみに、調律は200元くらい(地方だと150元くらい)だと聞きました。
日本だとグランドピアノで2万円(1200元から1500元)くらいだろうと中国人に言いましたら、「それだったら、一日に1台調律すれば、遊んで暮らせるね」と言われました。

さらに見落とされがちなのは、グランドピアノ(又はアップライトピアノ)をおけるだけの部屋の環境
最低限の防音しないと近所迷惑。
そして、狭い部屋にグランドピアノ置いたら、反響がすごくて頭がんがんするぞ。
普通は音大にでも行くのでなければ、アップライトピアノですわな。
アップライトですと、背中に弦がはってあるわけなので、少なくともそこの壁に防音板などを貼る必要があると思います。
中国人は結構、部屋を改造してしまうので(内装工事を結構、自由にやってしまう)、この辺、日本より問題にならないんですが。
内装工事のための卸売市場があちこちにあるので、そこで自分で防音壁を買ってきてもいいんでしょうね。
安いみたいです。

そして、最後に、ピアノは置物ではないのだから、弾いてあげないとピアノが死んじゃう。
そのためには弾けるだけの腕を養わないとね、つまりレッスン代がかかる。
レッスン真面目に受けて、有る程度弾けるようになるには練習時間も必要よ。
そうなると、必死に金もうけのために昼夜仕事をして、時間的余裕のない人には無理。

それらをクリアできる人がピアノを持てるんだよねぇ。
そして、一人っ子政策実施中の中国では、中流以上の家庭の親はそれだけのものを子どもに投資しちゃうわけですわ。

いいなぁ…