4月
2010

才能よりも大事なもの「悟性」

例えば、何かの分野で大成するためには天賦の「才能」はあったほうがいいに決まっています(笑)。
でも、もっと大事なものがあるらしいです。
それは「悟性」。

最初にわたくしの柳琴と二胡の先生である龍海先生からこの言葉を聞いたとき、「???」と思いました。
龍海先生に「どういう漢字ですか」と尋ね返して「孫悟空の真ん中の字だ」と教えてもらった後、辞書を引いてみたら、「理解力」という説明が書いてあっただけなので、何となく「先生の言うことをちゃんと理解できる能力なのだろうな」くらいに思っていました。

ところが、二胡の演奏家・教育家で中央音大の趙寒陽先生の著書を読んでビックリ仰天。
恐ろしい勘違いをしておりました。

以下、わたくし萩原有里が翻訳して引用させていただきます。

中国の伝統文化において、人の脳の機能は「元神」と「識神」の2つに分類することができる。「元神」は人が生まれながらにもっているもので、いわゆる天賦であり、コンピュータのCPUに相当する。「識神」は後天的に生活の中で形成・蓄積されるもので、コンピュータのソフトウェアとRAMに相当する。人は成長過程で「元神」と「識神」は相互依存、相互補助、相互浸透するという密接な関係を呈する。つまり、後天的な学習蓄積を通じて「識神」は「元神」の開発を誘導及び激励し、また反対に「元神」は人の「識神」知識の理解を促進する。ただ、これは勤勉に学習しさえすれば、知識が蓄積され、「元神」の開発を誘導促進できるというものではない。なぜなら、「元神」と「識神」の間には特殊なコードを用いてコミュニケーションをとる必要があるからである。人はこれに対応する思考方法及び思考構造を構築して初めて「元神」と「識神」の間の連絡通路を開くことができるのであって、これが俗に言う「悟」である。
二胡の学習過程では、学習者の「悟性」を重視し、その次に「勤勉」が強調される。「元神」の機能はとても強大であり、「元神」と「識神」の間の連絡通路を開けてやりさえすれば、二胡の学習者は誰でも優秀な演奏家になれるといってよいだろう。
(略)
科学者の研究報告によれば、人が一生のうちに開発する大脳機能は10%にも満たない。残りの90%は即ち「元神」の部分である。だから「悟性」は「勤勉」より重要であることが分かるだろう。

趙寒陽著「一句話学二胡」藍天出版社、2010年1月、107~108頁。

ひょぇ~
龍海先生はわたくしに「お前、真面目で勤勉だし、悟性あるから上達するよ」って言ったんだよ…

先生の「人をその気にさせて伸ばす戦略」なのかなぁ…

しかし、「悟性」が何なのかは分かったけど、如何に「悟性」の門を開けるかは、書籍を読んでもあまりよく分からないのでありました…
「自然の流れに逆らわないこと」みたいなことが書いてありました。

いずれにしても、龍海先生はわたくしの使っていない大脳の何割かを開発してみよう!と思っていてくださっているようで、ありがたいことです(^^;
こんなド素人が楽しく練習できるのも、皆せんせいのおかげ。
先生には、ものすごく天賦の教える「才能」がおありになると思うのでありました。