6月
2008

仕事に関する自問自答

ある方の仕事の内容に興味を持っていて、いろいろお尋ねしたのですが、一方的に聞いたら不公平かなとか失礼だろうと思い、ついでに自分の回答も書いてメールした。

しかし、相手もわたくしの回答を別にみたって仕方がないとは思うものの、親切に疑問に答えてくれた。
その方の回答はちょっと公開できないので、自分の回答をUPしたりする。

Q1 一日、どのくらいの原稿を翻訳するのですか?
A1 その日によって、全然、違います。

Q2 何時間くらい、働いていますか?家でも仕事したりしますか?
A2 正直に書くと労働法違反(かも!?)
定時に終わることも稀にありますが、何故か、クライアントは集中し、忙しい時は殺人的に忙しく、夜12時近くまで事務所にいたりします。家は歩いて10分なので、家で仕事はしません。反対に時間外の事務所で、普通の読書をしていたり、机の上で寝ていることはあります。

Q3 この仕事をしていて、一番、楽しかったことは何?
A3  「名訳を思いついたとき」が一番楽しく、「迷訳を見つけたとき」は死にたい気持ちになります。

Q4 この仕事を何年していますか?
A4 2003年から。

Q5 仕事以外ではどういう本を何冊くらい読む?
A5 わたくしの場合は、日本にいないのでオーディオブックをダウンロードしてよく聞きます。これはビジネス書と自己啓発書の類です。クライアントの気持ちを知ろうという下心もあります。専門書は日本にいるときまとめ買いしますが、すべて隅々まで読んでいるかというと、恥ずかしながら資料的にしか読んでいません。小説は、恥ずかしながら若い子が読むようなアニメ原作的ものも結構好きです。たまに中国人に三島由紀夫とかの話題をふられ、どんな話だか思い出せず、適当にごまかして、あわてて帰国時に読みなおすとかしますけど。

しかし、なんだかんだ言ってもウェブを見ている時間が多いような気もして、昔よりは本を読んでいないような気がします。

6月
2008

原稿の価値

たまに見に行く経済評論家、勝間和代さんのブログに「Chaobo!」というチャリティプログラムのブログパーツがあったので早速、頂戴してきました。

Chabo!( チャボ )は、Charity Book Program( チャリティ・ブック・プログラム )のこと。
心ある著者たちの厚意により実現した印税寄付プログラムです。
Chabo!に登録されている本が売れると、
その本の著者の印税の20%が 特定非営利活動法人JENを通じて、
世界中の難民・被災民の教育支援、自立支援に使われます。

http://www.jen-npo.org/chabo/about/

印税を寄付することができる著者ってすごいよね。
通常、書籍の印税はだいたい8~15%くらいの間。初版に印税がなくて重版からっていう場合もあるよね。
わたくしの場合なんて、印税どころか、こっちがお金を出さなければ出版なんて難しい。
ものすごく限られた分野の翻訳なんて、確かに普通の人は買わないものね。

しかしながら、初めて原稿料をいただいたときは(といっても数百元くらい、日本円に換算すれば一万円以下であったような気がするが、忘れてしまった)、ぜーんぶある国際事業に寄付してしまった。
そもそも「機会」は天から頂いたものなので、天に帰してしまえ、そう思ったまで。
生計は他で立てているので惜しいとは思わなかったけど、これで飯を食っている人には困難かも。

ちなみに、ここで法律っぽい話題を提供すると、中国の版権局の部門規定に「文字著作物出版報酬規定」というのがある。

第六条 基本原稿料

  1. 原作 千字につき30~100元
  2. 二次的著作物
    • 脚色 千字につき10~50元
    • 編集 千字につき3~10元
    • 翻訳 千字につき20~80元
    • 注釈 注釈部分は、原作の基準に照らして取り決める。

出版を引き受ける者が二次的著作物を出版する場合、契約に別途、約定があるか又は原作がすでにパブリックドメインになっている場合を除き、出版を引き受ける者は原作の著作権者の許諾を得て、原作の基本報酬基準に照らして原作の著作権者に対して報酬を支払わなければならない。

これは、翻訳って場合によっては、原作を書くより悩んで時間も費やすものだから、原作に比べて微妙な値段設定になっているのだろうか。

しかし、現実は、結局、力関係なので権利の面からも、お金の面からも、理不尽なケースもあるだろう。

是非、あなたに翻訳してほしい、あんたじゃなきゃ、嫌、とかって原作者に言ってもらえたら幸せだろうなーと思うけど、わたくしのは文学ではないから、そういうこともなく寂しいね。